「年忌法要」

あの世でのことです。

この世に置き換えれば、老人ホームを想定してください。
寮長さんから「Aさーん  Bさーん  Cさーん」と呼び出されます。

「明日あなたの年忌法要がありますので行ってきてください。」

と言われ各お寺に出かけます。

当日、本堂にお祀りされた位牌の中に入り、年忌の供養を受けます。参列者と向かい合っているわけです。

住職の有り難いお経と共に、参列者のお焼香、お花、果物や野菜などのお供物をいただきます。

心身共に満足して、塔婆を杖としてまたあの世の寮に帰ります。
寮に帰り、「あーだった こーだった 孫が大きくなっていた。息子もちゃんとがんばっていたよ。」と仲間たちに自慢、お供物を皆さんに振る舞います。


でも、年忌になってもお呼びのかからない方もいます。
寮ですから、基本的なことは十分足りているのですが、やはり寂しいものです。

おみやげ話を聞きながら「そりゃ 良かったね。」とは言うものの自分も子供、孫たちの話をしたいものだと残念に思います。

でも「何で 年忌法要しないのか」と叱りはしません。要求もしません。罰を与えようなどとは決して思いません。かわいい子、嫁、孫ですから。繁栄を祈るだけです。


ただ 少々 寂しい思いをしています。