一 水 四 見(いっすいしけん)
一つの水も、天人は瑠璃と見、人間は飲料と見、餓鬼は血、魚は住みかと見る、という意味です。
つまり、自己を中心にものを考えると、すべてのものが異なったものに見える。ということです。
テレビのワイドショウを賑わせている出来事も、そんな程度のことがなんであれほど仰々しい話題になってしまうのかと不思議に感じられることがたびたびあります。
こういったことのほとんどの場合はこの「一見四水」によるものです。
これには視聴者側、即ち我々の無責任で嗜虐的な目が大いにその傾向に拍車をかけている事がおおいのですが、こんな風潮がいつまでも続くようではそのうちすべてのものが、瑠璃を血にまみれさせるようなことになってしまうのではないでしょうか。
少々気をつけたいものです。
又、同じ水でも、牛が飲めば牛乳となり、蛇が飲めば毒となる。といいます。
人間が飲めば何になるのでしょうか。知恵となり、優しさとなってくれればあり難いのですがなかなかそうはならないようです。