「 生まれて よかった 」
仏師の西村公朝先生は色紙を頼まれると「生まれてよかった」と書くそうです。
森羅万象全てが仏様。吸っている空気、飲む水、そびえる山、
木も草も、鳥も魚も全部が仏様。私もあなたも仏様。 なのです。
その仏様のお陰をいただいて日々生かされているのです。
そして、嬉しいときには「生まれてきてよかった」と思います。悲しいとき、辛いときには「生まれてこなければよかった」と思います。
しかしながら、嬉しいことも悲しいことも長くは続かないものです。
入試に合格し「よかった」。進級試験に失敗し「悲しい」。まるで縄・ロープの編み目のように上になったり(嬉しい)、下になったり(悲しい)します。
嬉しいときには、「次は悲しいことかな、辛いことかな」と心を引き締め、悲しいときには「今度はいいことがあるサ」と希望をもてばいいのです。
諸行無常といいまして、何事もじっとして留まってはしません。
嬉しいことも、悲しいこと、辛いことは生まれてきたからこそ、今いるからこそ味わえるものです。幼くして亡くなった方には、お酒の美味しさも二日酔いの辛さも味わえないのです。
今悲しい人も辛い人も、もう少しで嬉しいこと楽しいことがやってきます。
一寸と手を伸ばせば直ぐそこにあります。行動を起こしてください。
昨今「あしたがあるーさ あすがある・・・」という歌がテレビからよく聞こえてきます。そうです。明るい明日はきっとあります。(あしたというひはあかるいひとかくのね・・・)という歌もありましたね。
悲しさ、辛さを愉しむ。そんな気持ちが少しでもあると、悲しみ辛さの悪魔もあきれかえって何処かに行ってしまいます。
全てを前向きにとらえようとする気持ち、心がけを言葉にして、森羅万象に感謝の気持を込めて、「生まれてよかった」とサインするのだそうです。
「生まれてよかった」そんな気持になれる、充実した日々を過ごしたいものです。